先日、ご依頼を受けて製作したアンプですが出力とボリューム位置について、少しご質問を受けました
ご使用の環境はグレースのm902を使用していて、そこからのラインアウト(プリアウト?)からKA−10SHへ接続されているという事で、m902の出力は少し抑えてあるものの、KA−10SHのボリューム位置は12時前後とのこと
市販の機器の多くは12時以前で音量が取れるものばかりです
この点、多く疑問に思われる方もいらっしゃると思います
しかし、考えようではありますが、おそらくそれは過剰な出力の状態とも言えます
KA−10SHは出力が過不足なく適切に設定されている為、ボリュームの使用範囲が広いので音量の微調整が可能です
たとえば9時までしかボリュームが上げられない状態と、12時までの位置まで上げられるものであれば、後者のほうが音量の微調整はしやすいですし、ボリュームの0位置から少しの間は極めてギャングエラーが発生しやすく音量調整が難しいことが多いです
結果として、ほとんどボリュームを上げられない高感度イヤホンから低能率ヘッドホンまで、ギャングエラーも感じずに音量調整も極めてスムーズに出来るという結果を得ています
こういった使い安さのあるアンプはないと思います
市販品はどうしても、大は小を兼ねるという事で出力を多くとりすぎてしまい、結果として能率の良いヘッドホンなどを使った時に音量調整がしずらかったり、出力に伴いノイズレベルも高くなってしまうというジレンマを抱えています
KA−10SHは設計の時点でボリュームの使用範囲が使いやすくなっているのですが、これに合わせて更にボリュームを標準品から24型などの大型の物にアップグレードするとなお良好な結果が得られます
ですから、当方で組み立てたものは過去すべての物で大型ボリュームをお勧めしています
予算の指定があった場合は優先的にボリュームのアップグレードをお勧めしてます
KA−10SHを作る全ての方にボリュームのアップグレードはお勧めです
・・・使えない12時から5時の位置があるより使える15時までの方がやっぱり良いんじゃないでしょうか?