手配線のアンプですが、作る人の癖がそのままでるので、悩ましかったりします
特に、直すときに・・・
いま、お借りしている2A3PP(2A3プッシュプル)パワーアンプを拝見しているのですが、パーツの並び、ハンダ付け、手作りシャーシの組立てまで、大変なことになっています
手作りシャーシはパーツの実装をあまり考えてなかったようで、上から順番に分解できないようになっています
無理無理工具を入れてとりあえずはバラしたのですが、どう考えても普通にはネジが締められない
具体的にはパーツの取り付けステーにパーツを付けると、パーツが邪魔をして、そのステーをシャーシ(ボディー)に取り付けるネジが締められない
ありえないです
パーツのハンダ付けですが、ハンダゴテを当てるとバラバラと分解していく勢いです
せめて、穴に通して引っ掛けておくとか・・・
ちなみに、手配線の基本はパーツの足は「からげる」のが基本といわれており、からげるか、からげないかで音が変わるとも言われています
パーツはからげて、ハンダは「それをとめる」のに使うだけという方もいます
で、自分の場合ですが、からげることができるところはからげますが、メンテナンスやパーツ交換の事を考えて「通して・引っ掛ける」という感じです
1点でも良いのでまずはパーツ同士が「接触」しているようにしてハンダでとめるようにして、極力「ハンダ鉛」で電気を流さないようにしています
からげ配線は、おそらく理想的だと思いますがプリント基板で作るものは出来ても点接触、基本的にハンダ鉛を導体として扱っていますね
からげ配線の手配線アンプであれば、ハンダ付けしなくても動作しても不思議ではない(そのまま使ってはいけませんが)ぐらいですが、プリント基板にパーツを差し込んだだけで動作するのはまず無理でしょう
それぐらい違いがあります
ただ、手配線のアンプを作る際に、どの程度までからげ配線にこだわるかですが、プリント基板と比べたらパーツの接合は相当有利な状況ですので、引っ掛ける、軽くからげる程度で十分だと思われます
一番いけないのが、山のように持ったハンダにパーツをのせて、少し溶かしてくっつけるやり方でしょうか?
ハンダゴテで触れてバラバラと分解してしまうようではいけません
と、言うわけでまた戻ってきますが、今拝見しているそのパワーアンプはおそらくどなたかの作例のコピーを作られたものではないか?と思うのですが、コンデンサーも新旧入り混じっていますし(中古部品を多用?)、ヒューズボックスもスピーカーターミナルもチャンポンです
手配線によるパーツの配置は、どこでショートしていても不思議ではない感じで不安感がいっぱい
おそらく、修理業者の方にお願いしたら、一度バラバラにして組みなおすことになると思います
とりあえず、最低限手直しして、お返ししようと思っています
あと、このアンプですが、調整箇所が6箇所ほどあるようですが、その基準値が記されていません
初心者が扱うにはいろいろ問題が多いように思います
調整箇所のある真空管アンプは真空管を交換した場合や、定期的に電圧などを測定し基準値にしておく必要があります
こういうタイプのアンプは初心者の方は調製の仕方が理解できる物ならば良いですが、そうでない場合はお勧めできません
また、プッシュプルアンプの場合は調整されていればシングルアンプよりも特性が良いとされますが、未調整ではシングルアンプよりも音質が劣化するのではないかと思います(最悪、真空管の寿命が縮む恐れもあります)
(あと、これは極個人的な好みですが、シングルアンプの方が相対的に音が艶っぽく感じられるようで好きなんです 構造も比較的簡単で初心者でも触りやすいと思います)