kondou製作所のブログ

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スピーカーエンクロージャーによる音のこもりの話

こんにちはkondou製作所です。

 

過去の繰り返しとなるかもしれませんがフルレンジスピーカーユニットを使った場合のエンクロージャーの個人的な留意点などについて書きたいと思います。

フルレンジスピーカーユニットを使ってスピーカーを自作する場合、多くは箱型のエンクロージャーを使うことと思います。

この箱型にダクトをつけてバスレフ型にしたり何もせず密閉型としたり、裏ふたをつけずに後方開放型としたりするのが基本的、よくあるパターンだと思います。

ところでなんでスピーカーユニットを箱に取り付けるのか?

それはスピーカーユニットの前から出る「録音された、再生されるべき正の音の波」にスピーカーユニットの後ろから出る「録音されたのとまったく反対の再生に使うことができない負の音の波」が混ざると、「それぞれが打ち消しあって音が小さくなってしまう」からです。

これを防ぐのが箱の役割で、この箱やそれに相当するものをエンクロージャといいます。

それで、一番わかりやすい密閉型エンクロージャなのですが、スピーカーユニットの振動板が前後に動いて音を出す時にエンクロージャの中で空気が圧縮されたり引き延ばされたりする現象が起きます。

そのため、スピーカーユニットの振動板の動きが妨げられてしまうという問題が起きます。

回避の為にエンクロージャーを大きくする方法がありますが、実は空気というのは思っているより硬くて圧縮するには大きな力が要ります。

裏を返せば密閉型エンクロージャーはスピーカーユニットの振動板の動きを妨げやすいし、少々エンクロージャーを大きくしても圧縮の悪影響は避けられないということです。

これは、スピーカーケーブルよりも非常に大きな音への影響があります。

また、仮にエンクロージャーを作るのに12mmの厚みの合板を使うとして、空気を圧縮する悪影響を防ぐために箱を大きく設計すると、同じ厚みでは大きくなるほどにどんどん強度が落ちて50リットルの箱を作ったとすると12mmでは盛大にたわんで音に悪影響を出してしまったりします。

置く場所も取りますし、また、巨大化したスピーカーエンクロージャーはフロントの面積が大きくなるほどにバッフル効果が強まってきます。

バッフル効果はスピーカーユニットから出た音を後ろに逃がさず、前に効率よく放射させるのを助けますが、どうしてもそれに由来する付帯音を発生させてしまいます。


またそれはステレオ再生の音の立体感にも特有の影響を与えます

個人的にはそういった事と他にもデメリットがあり、無難ではあるけどなかなか設計が難しい方式だなと思います。(上手く作る人もいるかもしれない

密閉型よりも単純なスピーカーで板にスピーカーユニット用の穴を開けただけの平面バッフルとう物もあります。

また、箱だけど後ろ面は板がない後方開放型もスピーカーユニット前後の音を分離する簡単な仕組みのスピーカーもあり、いずれもスピーカーユニットに動作に伴う空気の圧力がかからないので、伸び伸びとした音が楽しめるというものもあります。

ただ、これはこれで、後方の音はある程度前に出てきますし、アンプに制動力がないとややもすると暴れ気味の音になるような気がします。

どう暴れるかと言えば、感覚としては振動板の動きを自由に支えるバネはあるけど、慣性により動きすぎる振動板の動きを落ち着かせるアブソーバーがない感じです。(故にアンプの性動力をあてにしたい。上手く作る人もいるかもしれない

次にバスレフ型ですが、これは密閉型のようなユニット後方の音を閉じ込める役割と、密閉型とは違いエンクロージャにダクトを用いて穴が開いているので空気の圧力がかかりにくい構造、バスレフ構造によりユニット後方から出る音を低音増強用として使うので迫力が増すというかなり良い感じのエンクロージャー形式です。

サイズも小型にできますし設計しやすいと思います。

ただ、それでも低音の量感には限界がありますし、バスレフ独特の音質になりますのでそれを好まない人もいます(←僕

あと、密閉型もバスレフ型も「箱型エンクロージャー」であることにより「箱特有のこもったような音’が感じられるのが自分は気になります。

今日はここまで。