手配線アンプといっても製作経験が無いと何のことかさっぱり分からないと思います
手配線とはプリント基板を使わず、パーツ同士をからげてつないでハンダ付けする作り方です
パーツレイアウトが3次元的であること、回路変更が容易など様々な特徴を持っています
このブログで頻繁に取り上げているKA−10SHは完全手配線アンプです
で、手配線の良さなんですが
第1にパーツ同士を直接つなぐので(ポイントtoポイント)ハンダ付け箇所が少ない事
ハンダに影響される部分が少なく出来ます
第2として太い配線材が使えることです
プリント基板は「銅箔」に電気が通りますが、手配線はパーツのリード線、もしくは好みの配線材が使えます
第3として立体的にパーツを配置できるというメリットです
プリント基板であれば、多層基板がこれに相当するのかもしれませんが多層基盤はノイズの問題が解決できない場合があります
手配線は余裕を持った高さにパーツを設置したりできます
万能ではないですけどね(^−^;
第4としてパーツの変更が比較的容易という事でしょうか?
これは、厳密にはプリント基板には銅箔、プリントパターンの剥離などの問題でパーツを余り交換すると基板が破損するといった問題が発生するのですが、手配線はそれが無いのです
第5として放熱性が極めて高い事です
プリント基板と比べ3次元構造で風通しが良く、特に真空管アンプの場合は発熱がありますから、特にこれは有効です
でもあれだ、ほら、A級動作のアンプってすごく発熱しますよね・・・真空管とか半導体とかっていうより、機体ごとに評価するべきでしょうね
第6としてプリント基板の製作をしなくても良いので試作が容易という事です
プリント基板では、回路が決まっていますが、手配線はいつでも回路自体を変更することが可能です
試作、検討、これらがすぐに出来ます
さて、ここまで持ち上げておいて、落とします(笑
手配線の問題です
まずは、手間がかかるという事です
プリント基板の3倍かかるといっても私としては過言ではありません(人によります)
プリント基板であれば、プリントパターンにある穴にパーツを入れてハンダ付けするだけですが、手配線の場合は(人によりますが) 事前にパーツの足を曲げたり、長さをあわせて切ったりして形を整えて、取り付け部分に合わせてから、仮止め(もしくはからげて)をしてからハンダを流すといった作業になります
そのため、ひとつの部品の取り付けに数倍の時間がかかります
手間はかかりますが、手間がかかるだけともいえます ちゃんと作れますw
気長に作りましょう(笑
後は複雑な回路を作るのが難しい(と思われる)
この場合の複雑ですが、極端な話、パソコンのマザーボードと同じものを手配線でやろうと思ったら大事(おおごと)です
と、言うか、この場合は無理、こういうの苦手w
プリント基板のほうがこの場合高性能な物が安価に出来ると思われます
密集した物が作れないとか、小型化が無理というのは手配線ならではだと思います
それぞれの良い所、悪い所があって、手配線は自作オーディオ派にとって作りやすく、性能を出しやすく、いじりやすい
そういう存在です
楽しいですよw
最後に、製作時はマニュアルはちゃんと読んでくださいね(^−^)ノ